INTERVIEWインタビュー

EXILE USA
スペシャルインタビューシリーズ

TALK LIKE DANCING! ―オドルヲカタル!―

なぜ彼らは踊り始めたのか? そして、ダンスは彼らの人生をどう変えたのか? 
アジアのダンスシーン最前線で活躍する人々へのインタビューシリーズ「TALK LIKE DANCING!―オドルヲカタル!―」。
第1回に登場した演出振付家MIKIKO氏に続き、第2回ではJ Soul Brothersを経て、EXILEのパフォーマーとして活躍、
現在は子供たちへのダンス普及活動にも力を入れているEXILE ÜSA氏を直撃!

EXILE ÜSA パフォーマー、ダンサー、俳優、プロデューサー 写真
パフォーマー、俳優、プロデューサー
EXILE ÜSA【VOL.3】

「僕らの国は、踊る国なんじゃないかな」

ÜSA氏へのスペシャルインタビュー【3】では、ÜSA氏がダンスを通じて子供たちと向き合う際に意識すること、そこから気づいたダンスの力という話題にフォーカス。また、日本全国に根づく踊りの文化について、多くの祭りを体験したÜSA氏ならではの観点から語ってもらった。
ÜSA ダンサー、俳優、プロデューサー 写真

現在ÜSAさんは『Eダンスアカデミー』(NHK Eテレ)の主任講師など、教育としてのダンスにも力を入れられていますよね。その理由を教えていただけますか。

 みんなが踊りに触れるきっかけを、いろんなところにちりばめたいからですね。踊りには不思議な力が絶対にあるんですよ。立ち始めた赤ちゃんはなにも教えていないのに、音楽を流すと踊るんです。歩く、食べる、寝る、踊るというくらい、踊りは誰もが生まれながらにして持っている本能的なもの。だんだん大きくなるにつれて、それを忘れてしまっているだけなんです。音楽に合わせて身体を揺らす行為自体に、ポジティブなマインドにさせてくれる力があるし、小さなきっかけを通じて多くの人たちに、それに気づいてもらえればと思って活動しています。
 たとえば東日本大震災の直後、被災地に足を運んだ際に「ダンスを教えてください」と言われたのですが、「どんなテンションで踊ったらいいんだろう?」と、とても緊張したんです。震災が起きたばかりで、子供たちも恐怖や悲しさで暗い顔をしている。そんな中、避難所になっている体育館でテンションを上げて踊っていいものだろうか、と。
 それでも音楽をかけて、手を叩くところから始めたんです。そして足踏みやジャンプをして身体をほぐしていくと、だんだん子供たちの心もほぐれていって。やはり身体と心は繋がっているんですよね。最終的にはみんな表情も明るくなり、本当にいい顔をしてくれました。そこでもダンスの力を感じることができて一つ自信になりましたし、「ダンスを通じて自分が役立てることは、まだまだたくさんある」と知ることができました。

身体の動きから心にアプローチする瞬間があったのですね。

 ええ。自分もテンションが上がらなくて、なにもする気が起きないときでも、とりあえず一回、動いて音楽をかけて踊ってみるんです。そうするとだんだんやる気が起きてくるんですよ。だからこれは、日常生活でも使えるような普遍的な感覚だと思います。そして子供たちと向き合っていると、もう本当に学ぶことだらけなんです。「子供って、全員天才だな」と思いますし、そして自分の頭は大人になるにつれて、どんどん固くなっているんだなと感じます。
 たとえば子供たちに「ワクワク」とか「シェイク」とか言葉を書いたプレートを出して、そのイメージで踊ってもらうというゲームがあるんですが、みんな、なにかしら自分の中で生まれたイメージに沿って踊ってくれるんですよ。「よくそんなことを思いついたね!」と驚くような発想がポンポン出てくる。本当に勉強になりますし、彼らと一緒にいると、再び子供時代を生きているような感覚にさせてくれます。
 だから僕自身、なるべく「こうでなくてはいけない」という教え方はしないように心がけています。「こういうやり方もあるけど、そこは自由に考えてみて」と。やはり自分で考えるということは大事ですよね。一つの型としてやってみて、そこから自分なりに崩していくことが重要といいますか。
 たとえば空手には型がありますが、みんなが型通りの戦い方をするだけではおかしなことになるし、勝負にならない。みんな、自分の身体に合わせて工夫するわけですし、ダンスにもそれぞれの身体に合った踊り方は絶対あると思う。100人いたら100通りの踊りがあると思います。
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今のお話だと、日本人も子供だと自由に踊ることができるわけですよね。でも大人になるとそれができなくなってしまう。

 そこには単純に踊れる場が少ない、という問題が一つあると思います。でも、僕は日本の祭りを20ヵ所くらい巡ってきましたが、祭りが息づいている地域の人たちは、踊ることに壁がないんです。大人になっても飲み会で踊ってくれたりする。だから地域の祭りというものも、踊りにとってはとても大事だと思います。つまり大人が踊ってもいい環境があるかどうか、ということですよね。町の中で踊っていたら「なんなんだこの人……?」と思われてしまう状況を、なくすことが重要なんです。

祭りが息づく地域には、踊る文化があるから大人たちも踊れる。

 そうなんですよ。海外の人から見ると日本人ってシャイで踊らない民族だと思われがちですけど、実はこの国には、いろいろな踊りがすごい密度で存在しています。今も30万くらいの祭りがあるらしいですが、その数は世界一じゃないかと思っていて。だからもしかすると僕らの国は、世界の中でも踊る国なんじゃないかな。そこは日本が世界に誇れることの一つではないかと思っています。
 だから、たとえば会社にも喫煙所の隣に「ダンス所」を作ってほしいんですよ(笑)。「ちょっと仕事で疲れてきたから、踊ってリフレッシュしてくるわ」と言って、ガンガン踊れるみたいな場所を。そこでたまたま居合わせた上司と踊ってみたら、ちょっと上司のことを好きになれるかもしれないし(笑)。
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(笑)。踊っているとき、人は無防備になりますからね。

 そう。心を開いてないと踊れないですから。

今、お話いただいた日本の踊りに対する考えは、世界に飛び出し、日本を外から見ることで生まれたものなのでしょうか。

 そういう部分はすごくあるかもしれないですね。世界に出るといろいろな国、民族の人たちが「自分たちの踊りはこれだ!」というのを、誇りとともに見せてくれるんです。その後に必ず「あなたの国の踊りはなに?宗教はなに?」と聞かれるんですが、最初はそれに答えられない自分がすごく恥ずかしかったんですよ。
 でも、そこを自分なりに学んでいくことで、今は「日本にはすべてのものに神が宿っていて、その数だけお祭りがあって踊りがある。だから日本は世界一、踊る国なんじゃないかな」と言えるようになりました。「たとえばあんな踊りもあれば、こんな踊りもある。……まあ、数え切れないくらいあるんだけどね」と(笑)。

そう考えると、前回のお話にあった世界の子供たちをダンスで繋ぐ試みも「日本とはなんだろう。自分とはなんだろう」と、アイデンティティについて自然と考える機会にもなるのかもしれない。とても壮大なプロジェクトですね。

 はい。壮大な分、早く形にしないと死んでしまうので、今はちょっと生き急いでます(笑)。

【EXILE ÜSA】

2001年にEXILEパフォーマーとしてデビュー。
2006年より「ダンスは世界共通言語」がテーマの「DANCE EARTH」の活動を開始。
これまで20カ国以上の踊りを体感した経験をもとに書籍、絵本、舞台、映像作品を制作。
2013年より「DANCE EARTH JAPAN」で全国の祭りを巡って踊りを体験、『Eダンスアカデミー』(NHK Eテレ)に主任講師として出演。
2015年には「DANCE EARTH PARTY」を本格始動させる。現在は「DANCE EARTH」を通じて、ダンスの素晴らしさを伝えるために活動中。


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