INTERVIEWインタビュー
DANCE DANCE ASIA – プノンペン・カンボジア / ビエンチャン・ラオス (2015/12)
アフターインタビュー
AREA ROCK STYLER / とことん挑戦!ぶつかって学んだ「人対人」
初の舞台制作、ワークショップ、Tiny Toonesの訪問など、AREA ROCK STYLERにとって未知なることの連続だったプノンペン(カンボジア)、ビエンチャン(ラオス)ツアー。挑戦する気持ちでツアーに臨んだ彼らが学んだものとは?リーダーのTAICHIさんと、RECKLESSでのジャカルタツアーに続き2回目の参加となったYOSHIKIさんに語ってもらいました。
作品ではストーリーの中に現地の言葉を取り入れるなど工夫をされていましたが、制作を行っていかがでしたか?
TAICHI : 海外で初めてとなるAREA ROCK STYLERのパフォーマンスということで、チームとしても個人としても挑戦したいという気持ちと、日本のダンスシーンでは僕たちの世代が可能性を広げていることをアピールしたいという気持ちで臨みました。
そのため、僕らの考えていることにとことん挑戦させてもらおうと思いました。今まで演技をやったことがないし、英語以外の言語にも触れたことがなかったので、自分たちの想像や直感、やりたいと思った面白いこと、かっこいいことをたくさん取り入れて、いろんな人の協力を得ながら体当たりで制作しました。
ステージで楽しく踊ることはもちろんですが、見ている人にも自分たちのパワーをぶつけて、それを吸収してもらって、お客さんも「よっしゃあ!」と思いながら帰ってもらいたいです。もちろんパフォーマンスや見せ方は大事ですが、それ以上に自分たちのパワーを伝えることに力を注いで今回の作品を制作しました。
初めての土地でパフォーマンスをして、日本とのリアクションの違いなど、新しい視点から客観的に感じられとても勉強になりました。
YOSHIKI : 僕は今までDANCE DANCE ASIAではジャカルタ、カンボジア、そしてラオスの3カ国に行きました。メンバーより1カ国多く海外公演を経験している分、皆を引っぱらなければいけないという気持ちや、3グループの中で最後に出演するというプレッシャーもありましたが、一公演ごとに作品がブラッシュアップしていき、メンバーの気持ちもどんどん高まっていきました。
ラオスでは、ワークショップの初日に参加してくれた皆さんが引っ込み思案だったので、「シャイな国柄なのかな?公演は盛り上がるかな?」と少し心配でしたが、本番ではとても大きな歓声と拍手をいただくことができました!
ワークショップや学校訪問を実施してみて、日本との違いを感じましたか?
YOSHIKI : 日本で自分がレッスンをする時に比べて、みんなの目が違うと思いました。一つでも多く何かを吸収したいという目や、自分たちを見つめる真剣な目が新鮮でしたね。日本にいる時にはなかなか感じることができない、ダンスを通してのつながりがたくさん生まれたのを感じました。
カンボジアもラオスもダンスのスキルは人によってマチマチで、正直言って、日本よりは高くないと思いました。でも、自分も何年もダンスを踊っていますが、ダンスに対する姿勢やダンスが好きな気持ちはどちらの国も日本より高く、こちらがもらえるものもたくさんありました。子どもから大人までワークショップを受けてくれましたが、大人も子どもみたいなキラキラした目をしていて、自然と笑顔になって、拍手が起こりました。それがとてもよかったです。
ラオスの学校訪問は、あんなに盛り上がるとは思っていなかったのでびっくりしました!最初は騒いでいる女子生徒がいて、それを後ろで興味なさそうに見ている男子生徒がいたんですが、最終的に男子もノリノリになって、全員で盛り上がりました。
外国から知らないダンサーが来てダンスワークショップをして、終わった後には親近感を持ってもらえたということが嬉しかったです。ヒップホップカルチャーやダンスに直接触れ合う機会はなかなか少ないと思うので、日本でもこういう機会があったらいいですね。
プノンペン(カンボジア)では社会活動団体「Tiny Toones」※を訪問しましたが、経済的な事情から学校へ行くことのできない子どもたちがダンスや音楽を学んでいましたね。彼らと交流した印象は?
TAICHI : 自分たちとはまったく違う環境の中で、あのような施設があることにとにかく感慨深いものがあり、人と人とのエネルギーを強く感じました。子どもたちは、ダンスに対しても熱心で、常にポジティブシンキング。自分たちは日本という一般的に恵まれた環境でやりたいことを仲間と楽しくできて、それが贅沢で幸せだと思っていましたが、それだけで満足しないで、幸せは自分たちで掴んでいく、作っていくものだということを子どもたちから教えてもらいました。
※Tiny Toones(タイニー・トゥーンズ):ダンスや音楽などの創作活動や教育を通して貧困層の子どもたちの支援をしているプノンペンの団体。
http://www.tinytoones.org/
YOSHIKI : 自分たちがダンスを教えに行ったというより、自分たちが元気をもらいに行ったという感じでした。子どもたちのまっすぐな笑顔や目を見て、メンバーのみんなが元気をもらいました。自分たちがダンサーとしてだけではなく、人間としての触れ合いができたことがとても心に響いています。
ビエンチャン(ラオス)公演でゲスト出演した現地のダンスグループ、FANGLAO DANCE COMPANY(ファンラオダンスカンパニー)とLAOBANGFAI CREW(ラオバンファイクルー)の印象はどうでしたか?
YOSHIKI : FANGLAOは独自の世界観が貫かれていて、とても心に刺さり、国が違えば表現も違うということを感じました。FANGLAOがこの国でやってきたこと、やってきたスタイルを彼らの母国ラオスで見られてよかったです。
LAOBANGFAI CREWはワークショップを受けてくれたのですが、若くて、荒削りなところもあるんですが、好きな曲で踊って、好きな仲間で踊っている、ダンスが好きという気持ちが強く感じられて、昔の自分たちを見ているようでした。どちらのクルーも、自分の表現を貫いていたので、とても大事なことだと思いました。
今回、カンボジア、ラオスの2ヶ国ツアーに参加してみて、いかがでしたか?
YOSHIKI : AREA ROCK STYLERにとって初の海外でしたが、心から踊り合える仲間たちと海外でパフォーマンスをすることができて、自分たちの可能性を強く感じました。楽しさだけではなく、日本と違う手ごたえや反応がとても面白く感じました。それらを糧にして、日本だけにとどまらず、どんどんいろんな土地でパフォーマンスをして、自分のダンスで世界とつながっていきたいと思います。
TAICHI : 今回初めてDANCE DANCE ASIAに参加させてもらい、とにかく感動し続けていました。テーマとして掲げている「踊る、つなぐ、アジア」は、「踊る」のは人だし、「つなぐ」のも人と人。ダンスは言葉じゃなく、文化や習慣はあった上で、その人のバックボーンを背負ってのパフォーマンスだと思います。その上での「人対人」をとても強く感じたので、自分たちも海外だからこそ、より自分たちのカラーを背負って、責任を強くもってパフォーマンスすることが大切だと学びました!