INTERVIEWインタビュー
スペシャルインタビューシリーズ
TALK LIKE DANCING! ―オドルヲカタル!―
なぜ彼らは踊り始めたのか? そして、ダンスは彼らの人生をどう変えたのか?
アジアのダンスシーン最前線で活躍する人々へのインタビューシリーズ「TALK LIKE DANCING!―オドルヲカタル!―」。
第1回に登場した演出振付家MIKIKO氏に続き、第2回ではJ Soul Brothersを経て、EXILEのパフォーマーとして活躍、
現在は子供たちへのダンス普及活動にも力を入れているEXILE ÜSA氏を直撃!
パフォーマー、俳優、プロデューサー
EXILE ÜSA【VOL.4】
「アジアのダンサーが、活躍できる場があるのは素晴らしいこと」
ÜSA氏へのスペシャルインタビュー【4】のテーマは、これまでの「DANCE EARTH」シリーズでのダンスを使った舞台表現について。そして、ダンス・ダンス・アジアへの感想、さらに今、ÜSA氏が力を入れている新たなプロジェクトの展望についても話を聞いた。
「DANCE EARTH」では、舞台作品をダンスで作られていますが、ダンス・ダンス・アジアでも、ストリートダンスを源に持つクリエイターが舞台表現にトライしています。ÜSAさんは、実際にダンスで舞台を作られてみていかがでしたか。
やはり、言葉を使わずに物語を表現するのは大変ですね。かといって、お客さんを置いていくものになってしまうと、エンタテインメントとして楽しんでもらえなくなってしまう。常に観客の関心を引っぱり続け、集中力が途切れないよう2時間を持たせるという点はいつも苦労します。
でも、逆に言えばダンスだからこそできることもあります。ダンス・ダンス・アジアでヴィンスさんが振付・演出をされた『Hilatas』を映像で観ましたが、言葉がわからなくても伝わってくるものがあったし、やはり身体表現は国境を越えていくと感じましたから。
でも、逆に言えばダンスだからこそできることもあります。ダンス・ダンス・アジアでヴィンスさんが振付・演出をされた『Hilatas』を映像で観ましたが、言葉がわからなくても伝わってくるものがあったし、やはり身体表現は国境を越えていくと感じましたから。
具体的にÜSAさん自身は、どのようにして舞台作品を発想し、作っていかれたのですか。
すべての始まりは、世界を旅しているときに思いついたアイデアですね。たとえば『DANCE EARTH~願い~』(’10年)では、自分の自伝的な内容にちょっとフィクションを加えた内容になりましたが、次の『DANCE EARTH~生命の鼓動(イノチノリズム)~』(’13年)では、「人類はみんな心臓の音、命のリズムで生きているのだから、リズム感がない人なんていない。踊ることが生きることなんだ」というテーマを伝えるため、どういう物語にするかを考えながら膨らませていきました。
最初は「台詞のまったくないノンバーバルなものを」と考えていたのですが、それを観客に受け入れてもらうにはまだ時期が早いと判断し、歌も入れつつ、ピエロ役の自分がしゃべらずに踊りで主人公を導くことで、ダンスが言葉になっていく様子を描きました。
『Changes』(’14年)では、僕の旅のテーマとなっている「チェンジ・ザ・ワールド」を前面に打ち出し、「世界を変えるということは、自分を変えるということなんだ」というメッセージを込め、ファンタジー世界に僕が実際に世界で観てきた踊りをちりばめた感じです。
最初は「台詞のまったくないノンバーバルなものを」と考えていたのですが、それを観客に受け入れてもらうにはまだ時期が早いと判断し、歌も入れつつ、ピエロ役の自分がしゃべらずに踊りで主人公を導くことで、ダンスが言葉になっていく様子を描きました。
『Changes』(’14年)では、僕の旅のテーマとなっている「チェンジ・ザ・ワールド」を前面に打ち出し、「世界を変えるということは、自分を変えるということなんだ」というメッセージを込め、ファンタジー世界に僕が実際に世界で観てきた踊りをちりばめた感じです。
舞台作品で踊るということには、ストリートやライブとも違った形で観客と向き合うという要素があると思うのですが、舞台に立ったときの感触はどうでしたか。
舞台は本当に毎日、感触が変わりますね。お客さんの反応次第で、パフォーマー同士のやりとりの間も変わっていきますから。だから毎日、みんなで一つの音楽を作曲しているような感覚があります。バトンを渡し合いパスを渡し合って、最後にカーテンコールで完成を迎える感覚。そういう意味では、お客さんと一緒に作り上げていくという感覚が強いですね。
それもまた、ダンスで舞台作品を作ることの魅力ですか。
はい。ダンスって観ているだけでも、自分も踊っているように心が弾んできたり、反対に悲しくなったりします。身体だけでなく、人の心を踊らせることができるんですよね。だから言語が異なる国でも通じるのだと思いますし、ダンスを使って舞台作品を作ることには、大きな可能性があると思う。僕自身も「いろいろな国の人たちに観てもらえるような舞台を作りたい」という思いはずっと持っています。
ダンス・ダンス・アジアでは、アジア出身の振付・演出家のもと、同じくアジア出身のダンサーが集まって作品を作り、各国で公演しているのですが、こうした試みにどのような印象をお持ちですか。
素晴らしいことだと思います。映像を観ただけでも「アジアには素晴らしいダンサーがまだまだたくさんいるんだな」と思いました。そういう人々が活躍できる場があることは、本当に素晴らしい。しかも、それが国際交流に繋がっていくなんて、最高なプロジェクトだと思います。ヴィンスさんの『Hilatas』を観ても、ストリートダンスがベースにありながら伝統的なバンブーダンスが取り入れられているなど、各国の文化的な背景が見えるところも素敵ですね。
ÜSAさんご自身にも、多国籍の人たちとチームを組んでやってみたい、というお気持ちはありますか。
やってみたいですね。今は舞台から発展して「DANCE EARTH FESTIVAL」というフェスを主催しているんですが、大勢の人たちが集まる場所に……、たとえばカンボジアの子供やダンサーたちを呼んで、一緒に踊れたらいいなと思っていて。そういう催しは観る側としてもワクワクするので、ダンス・ダンス・アジアとも、どこかで一緒に繋がれたらいいなと思います。
最後に、舞台から発展して今、フェスを開催されていることにはどんな理由が?
やはり、観客にダイレクトに参加し体験してもらいたいという思いがあったので、座席などのない野外フェスという形で開催するという構想にたどり着きました。「気持ちのいい空の下でおにぎりを食べるとおいしいのと同じように、気持ちいい空の下で踊ったら楽しいだろうな」と思ったんです(笑)。
世界中の音楽やダンスが観られて、ワークショップで体験することもできて、そして多種多様なおいしいフードがあって……、それらを一度に楽しめる「小さな地球」、その空の下、大地の上で、みんながハッピーな一日を過ごす光景が、僕なりの平和だと思っているので。この試みが世界に広がっていくといいなと思っているので、今はこの企画を膨らませていくことに夢中になっています。
世界中の音楽やダンスが観られて、ワークショップで体験することもできて、そして多種多様なおいしいフードがあって……、それらを一度に楽しめる「小さな地球」、その空の下、大地の上で、みんながハッピーな一日を過ごす光景が、僕なりの平和だと思っているので。この試みが世界に広がっていくといいなと思っているので、今はこの企画を膨らませていくことに夢中になっています。
【EXILE ÜSA】
2001年にEXILEパフォーマーとしてデビュー。
2006年より「ダンスは世界共通言語」がテーマの「DANCE EARTH」の活動を開始。
これまで20カ国以上の踊りを体感した経験をもとに書籍、絵本、舞台、映像作品を制作。
2013年より「DANCE EARTH JAPAN」で全国の祭りを巡って踊りを体験、『Eダンスアカデミー』(NHK Eテレ)に主任講師として出演。
2015年には「DANCE EARTH PARTY」を本格始動させる。現在は「DANCE EARTH」を通じて、ダンスの素晴らしさを伝えるために活動中。
2006年より「ダンスは世界共通言語」がテーマの「DANCE EARTH」の活動を開始。
これまで20カ国以上の踊りを体感した経験をもとに書籍、絵本、舞台、映像作品を制作。
2013年より「DANCE EARTH JAPAN」で全国の祭りを巡って踊りを体験、『Eダンスアカデミー』(NHK Eテレ)に主任講師として出演。
2015年には「DANCE EARTH PARTY」を本格始動させる。現在は「DANCE EARTH」を通じて、ダンスの素晴らしさを伝えるために活動中。