DANCE DANCE ASIA – ジャカルタ・インドネシア (2015/08)
アフターインタビュー
RECKLESS / 全員が1つの目標に!舞台制作で深まった結束
普段はバトルを中心に活動しているRECKLESS。ジャカルタツアーでは約30分の舞台作品の制作に挑戦しました。制作過程での発見や、今後の舞台活動への展望をメンバーのRYUICHI、KTR、バファリンが語ってくれました。
舞台作品とバトルではどのような違いがありましたか?
RYUICHI : バトルは競い合う場所なので、RECKLESSのメンバーもバトル中はライバルです。舞台制作の良いところは表現の目的をグループで1つにすることです。バトルであれば 一人一人が「勝ちたい」と思いますが、舞台制作ではグループ全員が1つの目標に向かうという部分に、僕はとても感動を覚えました。「このアイディアは違う」「僕はこうしたい」というのを一度出してぶつかった後、みんなが納得できるものを選んで作りました。それはバトルでは味わえないことです。グループ内の結束や、自分たちがやりたい表現に対する愛情が増したので、舞台制作は本当に魅力的だと感じました。
バファリン : 普段のバトルでは勝つというよりどれだけ目立てるかで勝負しています。それはバトルも舞台作品も変わらないと思いました。公演中に自分のアイディアで会場が「ワー!」と盛り上がるとうれしいという点も、バトルと似ているところでした。RECKLESSはポップ、ロック、クランプと異なるジャンルのメンバーが集まっているので、ジャンルを越えて一つの舞台を作る難しさもありましたが、自分がやっているポップだけでは表現できない作品を作ることができ、舞台制作の可能性を感じました。
KTR : バトルと舞台では作り方は全く違いますが、ショーを作るのと変わらないという感想です。ダンサーは舞台と聞くと「舞台=演じないといけない」と堅苦しく考える部分があると思います。でも、こうやって舞台に立ってみて、普段のショーとあまり変わらず、壁も感じないので、僕は今後、舞台もやりたいと思いました。
公演で一番伝えたかったことは何ですか?
バファリン : ストリートダンスの楽しさを伝えたい、その一心でした。
RYUICHI : ストリートダンスのかっこよさを見せたいということが一番にあります。いろんな作風のダンサーがいる中で、僕たちの作品はキレイにまとまらない部分もありますが、その粗さがストリートダンスのかっこよさだと考えています。粗い部分、まとめる部分、面白いエンターテイメントの部分をストリートダンスだけで表現するのがRECKLESSの目標です。
KTR : 僕はお客さんにとって受け入れ口の広い作品を作ることを心がけています。ダンスを見たことがない人たちに入口を作って、ストリートダンスのかっこよさに触れてほしいという思いで作品を作りました。自分たちの踊りを見た人が、誰か一人でもストリートダンスに興味を持ってもらえれば嬉しいです。
実際に上演してみて、観客の反応はいかがでしたか?
RYUICHI : めちゃくちゃ元気だと感じました。日本の観客は「どんなダンサーだろう?」「どんなグループだろう?」という疑問から入って、まず評価しようとします。ジャカルタの観客は良いと思った時にすぐ声を上げます。感じるスピード、感じたことを自分で表すスピードがとても速いと思いました。
KTR : 僕は以前(90’sのメンバーとして)DANCE DANCE ASIAバンコクツアー(タイ)にも参加していたので、インドネシアのお客さんはどのような反応をするのか興味がありました。公演ではスタンディングオベーションをしていただき、伝わったと感じられてとてもうれしかったです。
バファリン : インドネシアのダンスシーンの情報を聞いたことがなかったので、どんな反応をされるか未知数でしたが、みんなが目をキラキラさせて見てくれて、歓声も大きくてとてもうれしかったです。「来て良かったな。これからも頑張ろう!」と思いました。
ワークショップはどうでしたか?
RYUICHI : 最初は言葉の壁があり、話す時に一度通訳の方を挟まないといけないので、直接話ができていないと感じ、モヤモヤした部分もありましたが、踊り始めたらみんなと繋がっていると強く感じられました。自分たちがダンスを始めたころと同じように貪欲に吸収し学ぼうとする目をしている人たちがいっぱいいると思いました。
ワークショップの間は自分たちも緊張していたし、参加者の方も緊張していたと思いますが、終わった後にいろいろ話ができ、みんな1つのジャンルだけではなくていろんなジャンルをやっていることがわかりました。僕はポップしかやってこなかったので、いろんなジャンルをやっているからこそのポップの良さが聞け、こちらも教えられました。
ジャカルタのダンサーの印象はいかがでしたか?
RYUICHI : ダンスに対するモチベーションがすごいです。僕がダンスで一番大事にしているのはモチベーションです。作品を作る上でも自分が練習をしていく上でも、モチベーションがないと始まらない。ジャカルタの人は「ダンスが大好き」という感情で踊っています。それは見ている側にも伝わります。ワークショップで踊りを見た時にみんなが輝いていました。自分がうまく踊れた時に自分に拍手をする姿勢など、学ぶことがとても多くありました。とてもいいダンサーがいっぱいいて、もっと見たいと思いました。
今後RECKLESS単独での長時間の公演のオファーがあったらどうしますか?
RYUICHI : 1時間や1時間半の公演というのは、正直腰が重いですが、機会を与えてくださったらやると思います。今回の作品の前半ではメンバーそれぞれのスタイルとストーリーを見せ、後半では全員で踊るダンスを持ってきました。長編でやることになれば、全員で踊るところとそうでないところの差がもっとくっきりして、メンバーのキャラクターが浮き彫りになるでしょう。そこは楽しみです。でも、実際は大変そうですね(笑)
最後に、今後ストリートダンサーだけではなく、脚本家や演出家と共同で舞台作品を作る機会があったら挑戦してみたいですか?
RYUICHI : 僕は自分たちの力だけで舞台作品を作っていきたいですね。
KTR : 脚本家や演出家の方が入ることで第三者の意見を聞くことができ、自分たちの舞台制作にとってプラスになることも多いと思うので、是非挑戦してみたいと思います。
Posted – 2016.08.02
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